2009年3月2日月曜日

未払いの残業代請求

今回は、サービス残業の残業代請求に係る裁判例を紹介しています(つづき)。

(3)争点3(休日労働にかかる賃金について〔休日の振替の成否について〕)
(被告)
ア 被告は、原告に対し、原告の意思に基づいて以下のとおりの休日の振替を行ったもので、事後における振替ではない。
   対象日          振替日
(ア)平成16年4月3日(土) 同月9日
(イ)同年4月4日(日)    同年5月6日
(ウ)同年5月1日(土)    同月13日
(エ)同年5月2日(日)    同月19日
(オ)同年5月3日(祝)    同月20日
(カ)同年5月4日(祝)    同月21日
(キ)同年5月8日(土)    同年6月4日
(ク)同年5月9日(日)    同年6月18日
(ケ)同年5月15日(土)   同年6月28日
(コ)同年5月16日(日)   同年6月29日
イ 振替の対象となった対象日は労働日となっているため、同各日については休日労働に係る割増賃金(残業代)請求権は発生しない。
(原告)
ア 被告の上記休日の振替処理はその休日の前ではなく事後になされたものである。当該休日には、就業規則上定められた休日としての性格を変更されないまま労働日として原告は稼働した。
イ そうすると、原告は、被告主張の対象日について、休日労働に係る割増賃金(残業代)支払請求権を有している。
(4)争点4(深夜労働(残業)に係る割増賃金(残業代)の成否について)
(原告)
ア 原告は、被告の業務指示の下、深夜労働(残業)をした(〈証拠略〉)。
イ そうすると、原告は、深夜労働(残業)に係る割増賃金(残業代)請求権を有している。
(被告)
ア 原告は、深夜労働(残業)の申告承認の手続きをとっていない。
イ そうすると、原告には深夜労働(残業)に係る割増賃金(残業代)請求権は発生しない。
(5)争点5(消滅時効の成否について)
(被告)
ア 原告主張に係る時間外などの賃金債権は2年の消滅時効にかかる。
イ 本件訴訟は平成17年12月19日に提起された。
ウ 被告は、原告に対し、平成18年2月20日に同人に送達された被告の第1準備書面をもって平成15年9月分から同年11月分までの賃金債権について、時効により消滅した旨の意思表示をした。
(原告)
ア 原告の被告に対する本件の時間外などの賃金債権の消滅時効の起算日は労働者の退職日とすべきである。
イ そうすると、原告の賃金債権は、未だ、消滅時効期間が経過していない。
なお、企業の担当者で、残業代請求についてご相談があれば、顧問弁護士にご確認ください。そのほか、個人の方で、不当解雇保険会社との交通事故の示談交渉刑事事件多重債務(借金)の返済遺言・相続の問題オフィスや店舗の敷金返却(原状回復)などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。